「弁護プラン: 傷害」について

初動が何よりも重要であり、時間との戦いとなります。早期保釈・不起訴処分・前科を避ける・執行猶予・示談・無実を勝ち取る場合には、弁護士の迅速な対応が非常に重要となります。クライアントの社会的・経済的損失を最小限に留めるべく、全力を尽くします。

傷害罪の刑罰

15年以下の懲役または50万円以下の罰金(刑法204条)

傷害の意図は必要か?

傷害罪が成立するためには、暴行する意図があれば足り、けがをさせる意図までは必要ありません。つまり、「けがをさせるつもりはなく軽い気持ちで人に暴力を加えたが、結果的にけがさせてしまった」という場合も、傷害罪が成立します。

傷害罪と他の犯罪との関係

殺意があって人を傷つけたが、死亡には至らなかった場合、傷害罪ではなく殺人未遂罪が成立します(死刑または無期もしくは5年以上の懲役)。

殺意なく人を傷つけ、結果的に死亡させた場合は、傷害致死罪(懲役3年~20年)が成立します。過失によって人を傷つけた場合は、過失傷害罪(30万円以下の罰金または科料)が成立します。過失傷害罪は告訴がなければ起訴することができません。

動物を傷つけた場合は、器物損壊罪(3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料)、動物愛護法違反(2年以下の懲役または200万円以下の罰金)が成立し得ます。

傷害と逮捕

捜査機関が刑事事件として立件した傷害罪のうち、被疑者が逮捕されたケースは55%です。路上などで相手に暴力を振るいけがを負わせてしまった場合、そのまま逮捕されてしまう場合が少なくありません。傷害で逮捕された後、勾留される確率は83%です。勾留期間(原則10日・最長20日)が延長される確率は58%です。

傷害と前科

傷害罪の起訴率は37%です。起訴された事件のうち公判請求される割合は38%、略式請求される割合は62%です。暴行罪(18%)と比べると公判請求される割合がかなり高くなっています。

素手による暴行で、被害者のけがが軽い場合(概ね全治1~2週間程度)は、略式請求され罰金で終わるケースが多いです。被害者との間で示談が成立すれば、不起訴処分(起訴猶予)を獲得できる見込みが高いです(起訴されないので前科はつきません)。凶器を使用するなど態様が悪質な場合や被害者のけがが重い場合は、前科がなくても公判請求される可能性が高くなります。

傷害罪の弁護活動(罪を認める場合)

(1)示談をする

被疑者を起訴するか否かを決めるのは検察官です。検察官は、傷害事件の被疑者について起訴するか否かを決めるにあたり、示談の成否を非常に重視しています。そのため、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高まります。示談を締結する前に起訴されたとしても、その後に示談が成立すれば、執行猶予になる可能性が高まります。裁判官も刑罰の重さを判断するにあたり、示談の成否を非常に重視しているからです。

(2)被害者に謝罪する

被害者とお会いしたり、手紙をお送りして謝罪します。通り一遍のことを述べるのではなく、自分の言葉で心をこめて謝罪することが重要です。 

前科のつかない不起訴処分を獲得するために…

被害者にお渡しした謝罪文の写しを検察官に提出します。また、検察官の前で被害者への謝罪・反省の気持ちを直接語ってもらいます。

(3)環境を改善する

飲酒絡みで傷害事件を起こした場合、自身の飲酒癖をどのようにコントロールしていくかを考えてもらいます。暴走族、暴力団等の一員として傷害事件を起こした場合は、そのような組織から完全に離脱することが必要です。不良交友による荒れた生活が事件の背景にある場合は、交友関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要となるでしょう。いずれにせよ生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠です。ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらいます。

前科のつかない不起訴処分を獲得するために… 

本人を監督する旨の誓約書をご家族に書いてもらい検察官に提出します。その他の証拠資料として、移転先の住民票(家族と同居するために引っ越した場合)、断酒プログラムの修了証(飲酒絡みで事件を起こした場合)、破門状・脱会届(暴力団員の場合)などがあります。

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