デリヘルでの盗撮トラブル時に店側から渡された合意書(示談書)の効力は!?

弁護士 若林翔
2019年10月09日更新

お金は払ったけど…

今回の相談は,大阪でデリヘル嬢とのプレイを盗撮していたことが女の子にバレ,お店に呼ばれお金を払ったが,今後さらに何かされるかもと不安になり,当事務所まで相談に来てくれた事例。

盗撮したことは間違いないこと,また示談金も20万円とすぐに払える額であったこともあり,これで終わるのであればと思い,示談金を支払った。

お店の人からも,「これ以上は何もない」との一言と,合意書(示談書)のコピーも手渡された。

しかし,家に帰って合意書(示談書)をよく見てみると,お店側の署名押印はなく,また,口外禁止条項や清算条項がない。それにもかかわらず,お店には自宅や職場の連絡先などが控えられている。

二次被害,個人情報が流出することや,自宅や職場に連絡され,家族や職場の人に風俗通いがバレかねない状況の中で,すぐに当事務所の弁護士が本人や家族等への連絡をしないようお店に伝え,改めて合意書(示談書)を締結したという事案。

盗撮トラブルの事件概要

相談者は,30代前半で,妻子持ちのサラリーマン。

相談者は,たまに風俗を利用する程度で,これまでに数回しか風俗の経験がなかった。
それもあってか,デリヘル嬢とのプレイを盗撮してみたいという気持ちに駆られ,女の子とのやり取りを盗撮してしまった。

しかし,プレイ中に女の子が盗撮に気づき,すぐさまお店に連絡され,相談者は,女の子とともにお店に行くことに。

お店では,自宅や職場の連絡先を教えること,罰金として20万円を支払うことを求められた。

相談者は,それだけで済むならと,その場で連絡先を教え,20万円を支払うことにした。
支払後,厳重注意はあったものの,20万円を払ったためか,「これで終わらせる」と言われるとともに,お店側で用意された合意書(示談書)に自分の名前と住所を署名し,そのコピーが渡された。

その場では,パニックになっていたこともあり,これで終わったと一安心したが,その後,少し冷静になって考えると,こんな合意書(示談書)で大丈夫なのか。もしかしたら,自宅や職場まで連絡されたり,さらにお金を要求されるのではないか。などと不安になってきた。

そこで,このような風俗トラブルに詳しい弁護士を探していたところ,当事務所のホームページを見つけ,すぐ問い合わせをした。

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盗撮トラブル時の弁護士の対応

連絡を受けた弁護士がすぐに対応することに。

当事務所では,平日だけでなく土日も,電話来所での面談が可能で,迅速な対応が強みだ。

担当の弁護士が相談者に電話し,トラブルの概要を確認。

今回は,既に示談金は支払い済みであったこともあり,家族や職場バレ,更なる金銭要求などのトラブルの蒸し返しを防ぐことが重要となるケースだ。

当事務所では,今まさにトラブルとなっていることへの対応のみならず,一度,お店との間で解決したトラブルであっても,その後の二次被害三次被害を防ぐための対応も行っている。

もうお店とは解決したのに,いまさら弁護士??って思われる方も多いかと思う。
しかし,本当にこれ以上の要求がないかは口約束だけでは不安である。また,取られた身分証や連絡先の情報が漏れたり,家や職場に連絡がきて,家族や職場の人にバレてしまうかもという不安も。さらに合意書(示談書)が渡されたとしても,その合意書は有効なものなのか,有効だとしても不備はないのか。

このような不安を解消するためにも弁護士への依頼は効果的だ。つまり,弁護士に依頼することで安心を買うのだ。

弁護士がその合意書(示談書)を確認したところ,相談者の言う通り合意書(示談書)に相手方の名前や住所の署名押印がない。これでは,残念ながら合意書に法的効力が発生しないもの,すなわち,支払った20万の証拠となるものではなかった。また仮に相手方の署名押印があったとしても,今回の件について取得した情報等を第三者に漏らさないこと(口外禁止)やもうこれ以上の債権債務がないこと(清算条項)についての記載がなく,合意書(示談書)としてはあまりにも不完全で,二次被害や家族・職場バレを防げるものではなかった。

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相談者と今後の方針について話をしたところ,お店からの更なる金銭要求や,家族バレを防ぎたいとのことで,当事務所に新たな合意書(示談書)の作成及び締結交渉を依頼いただけることとなった。

弁護士はすぐにお店に,直接本人や家族,職場への連絡はしないことを電話で伝えるとともに,今回の件について合意書(示談書)を締結して欲しい旨伝えた。
お店側としても,既にお金をもらっていること,そして弁護士からの連絡であったことから,改めての合意書(示談書)締結にすぐに了承してくれた。

弁護士は,合意書(示談書)を作成し相手方に郵送した。
しかし,1週間過ぎても合意書(示談書)の返送がない。電話で何度か返送を催促しても一向に返送がない。
このままでは埒が明かないと思い,直接お店に合意書(示談書)を取りに行くことをお店に伝えた。すると,お店も弁護士が取りに来るということもあってか,即日対応するとの返事をもらった。
その日のうちにお店に出向き,合意書(示談書)を締結することができた。

そして普通であれば,合意書(示談書)を依頼者に渡して終了なのだが,家族バレを防ぎたい依頼者のために,当事務所では合意書(示談書)を事務所にて保管するとの対応もしている。

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今回の依頼者のケースも,家族バレをしないために,合意書(示談書)は当事務所で保管することとなった。

風俗トラブルでは,一旦は解決したかのようにみえても,その場限りの解決で,その後の二次被害三次被害の危険がある。
こうした二次被害,三次被害を未然に防ぐためにも,弁護士への相談,依頼をお勧めします。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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