信用毀損罪・威力業務妨害罪でへずまりゅう・わたきん逮捕!

2020年10月18日更新

刺身の窃盗罪で逮捕されていたへずまりゅう氏が,またまた逮捕されたとのこと。

へずまりゅう氏のYouTube撮影に同行していた「わたきん」氏も逮捕されたとのこと。

容疑は,信用毀損罪威力業務妨害罪

まずは,動画をご覧ください。

【弁護士解説】へずまりゅうまた逮捕!ブランドが偽物だった場合は?

 

へずまりゅう逮捕の概要

  • 大阪府警南警察署が10/16日に逮捕
  • 威力業務妨害と信用毀損(きそん)の疑い
  • 5月1日午後3時50分ごろに被害者の男性(57)の衣料品店でわたきんが購入した直後、へずまりゅうが男性に対し、このTシャツについて「返品お願いします。偽物でしょ」「日本人をだまして楽しいですか」などと罵声を浴びせ、その状況を撮影し、YouTubeにアップした疑い
  • 翌日10/17,わたきん逮捕
  • へずまりゅう,刺身窃盗事件の公判が10/15に予定も取り消し

偽ブランド品の販売と商標法

商標法という法律では,商標権という権利が保障されている。

商標権とは,商品又はサービスについて使用する商標に対して与えられる独占排他権をいう。

文字,図形,記号の他,立体的形状や音等について,自社の商品・サービスとして独占して使えるという権利だ。

多くのブランドは自社の商品やロゴなどについて,商標登録をしている。

偽ブランド品を販売することは,商標権を直接侵害する行為に該当し,10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金(商標法78条)だ。

商標法

(定義等)
第二条 この法律で「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。
一 業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの
二 業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)

(侵害の罪)
第七十八条 商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

信用毀損罪の「虚偽の風説」とは?

へずまりゅう氏は,信用毀損罪で逮捕された。

被害者の店が偽ブランド品を販売していたとしたら,それを指摘し,YouTubeで公開した行為は信用毀損罪に該当するのであろうか?

信用毀損罪は,虚偽の風説を流布し,人の信用を毀損する行為を処罰する規定だ。

「風説」とは,噂のことをいう。

「虚偽」とは,客観的真実に反すること(客観説大判明44.12.25)をいう。

そのため,偽物であることが客観的真実に反することが必要であり,本当に偽物なら信用毀損罪は成立しないことになる。

刑法233条

虚偽の風説を流布し,又は偽計を用いて,人の信用を毀損し,又はその業務を妨害した者は,三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

威力業務妨害罪の「業務」は適法性が必要?

威力業務妨害罪は,威力を用いて,人の業務を妨害する罪だ。

まず,「威力」とは,人の意思を制圧するに足りる勢力をいう。

へずまりゅう氏は「返品お願いします。偽物でしょ」「日本人をだまして楽しいですか」などと罵声を浴びせ,その様子を撮影しており,これは「威力」に該当するだろう。

次に,「業務」について,検討する。

その業務は適法である必要があるのか?違法な業務も保護されるのか?

業務妨害罪の保護法益は,事実上平穏に行われている人の社会的活動の自由だ。

そのため,威力という手段から刑法上保護されるのが相当と認められれば「業務」に該当すると解されている。

類似事例の裁判例を見てみると,風営法違反のパチンコ屋も「業務」とした裁判例(横浜地判昭61.2.18)がある。

横浜地判昭61.2.18

そもそも刑法二三四条の罪は人の業務を保護することによつて経済生活を保護しようとするもので、その保護法益にてらし、同条にいう業務は「事実上平穏に継続されている一定の業務」というべく、従つて反社会性の明らかな業務であれば格別、単に行政取締法規に違反する不適法な点があるからといつて直ちに刑法二三四条の保護の外におかれるものではないと解するのが正当である。なぜならば、業務上各種の行政取締法規に抵触するところがあるからといつて、当該業務を私人の妨害にさらさせることは、通常適法にかつ平穏に営んでいる各種業務の安全の保護に十分ではなく、他面、当該業務の取締法規違背の点は所定の法的手続に従つて処理されるべく、かつそれを以て取締目的は達するといえるからである。これを本件について検討するに、パチンコ店が関与するパチンコの景品買いに対しどの程度の法的規制をなすのかは、違法な賭博行為の未然防止、射幸的行為に対するその時々の社会的許容性の度合い等からする取締の必要性にてらしてなされるべき政策上の問題に属するもので、又古物営業に対する規制も同法所定の行政目的達成のためのものといえ、仮に風営法や同法施行条例並びに古物営業法上の取締規定に抵触するところがあつたとしても、ネクタイ・ピンやコーヒー豆を相当の価格で売買する行為はその行為自体反社会性が明らかなものともなしえない。従つて、本件業務も又刑法二三四条によつて保護される業務に含まれるものと解するのが相当である。

又、被告人らはもともとパチンコ店『ニュー・グランド』に対するいやがらせの目的のため本件行為に及んでいるのであり、本件が違法な実力行使として刑事処罰を免れないことは明白である。

以上の点からすれば,偽ブランド品を売っている衣料品店についても,事実上平穏に継続されている一定の業務といえ,「業務」にあたると考える。

そうすると,へずまりゅう氏の行為は,たとえ被害者が偽ブランド品を売っていたとしても威力業務妨害罪に該当する。

 

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