「真剣交際」大阪府の青少年健全育成条例(淫行条例)改正へ

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2020年02月09日更新

大阪府の青少年健全育成条例の改正案が提案され,話題を集めている。

改正案は,18歳未満の青少年との性行為やわいせつ行為について,真剣交際,真摯な交際がなければ18歳未満の性行為等を全て罰するという内容だ。

改正条例案の内容や,「真剣交際」とは何かについて,解説していく。

大阪府の青少年健全育成条例(淫行条例)改正のニュース

大阪府、18歳未満とのわいせつ行為取り締まりへ条例改正案

大阪府は7日、戦略本部会議を開き、18歳未満とのわいせつ行為の取り締まり要件を緩和した府青少年健全育成条例改正案を2月議会に提案することを決めた。現行条例は脅したり嘘をついたりすることを要件としているが、社会問題化している会員制交流サイト(SNS)を通じた性犯罪などに適用することが難しく、府の審議会が規制対象の拡大を提言していた。

府によると、改正案では「青少年の未熟さに乗じた」わいせつ行為や「単に自分の性的欲望を満足させるため」の性的な行為を禁じる。審議会が昨年12月に「真摯な交際関係における性行為」は規制の対象としないよう提言しており、府も除外する方針だ。

吉村洋文知事は戦略本部会議で「SNSで見ず知らずの大人と簡単に知り合える時代。(条例改正で)厳しく処罰することも大事だが、未然に防ぐことも重要だ」と述べ、啓発にも力を入れる考えを示した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200207-00000621-san-pol

大阪府の青少年健全育成条例の改正内容

青少年健全育成条例とは,青少年の健全な育成のための環境を整備をし,健全な成長を阻害する行為から保護する条例だ。

青少年とは,18歳未満の少年少女を指し,未成年全てが対象となるわけではないことに注意してほしい。

具体的には,18歳未満の青少年について,深夜にカラオケ行くことを禁止したり,有害図書(エロ本)の販売を禁止したり,キャバクラとかホストクラブとか風俗に行くことを禁止したり,援助交際を禁止したりする条例だ。

大阪府青少年健全育成条例

(目的)
第一条 この条例は、青少年の健全な育成に関する基本理念を明らかにするとともに、府の基本施策を定めてこれを推進し、青少年を取り巻く社会環境を整備し、及び青少年をその健全な成長を阻害する行為から保護し、もって青少年の健全な育成を図ることを目的とする。

(淫らな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第三十九条 何人も、次に掲げる行為を行ってはならない。
一 青少年に金品その他の財産上の利益、役務若しくは職務を供与し、又はこれらを供与する約束で、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号。以下「児童買春・児童ポルノ禁止法」という。)第二条第二項に該当するものを除く。)。
二 専ら性的欲望を満足させる目的で、青少年を威迫し、欺き、又は困惑させて、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。
三 性行為又はわいせつな行為を行うことの周旋を受け、青少年に対し当該周旋に係る性行為又はわいせつな行為を行うこと。
四 青少年に売春若しくは刑罰法令に触れる行為を行わせる目的又は青少年にこれらの行為を行わせるおそれのある者に引き渡す目的で、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。

第五十二条 第三十九条の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

青少年との性行為やわいせつ行為について,現状の条例では,金銭等を対価とする援助交際やパパ活の場合,騙したり脅したりするような場合のみが罰則の対象となっている。

改正後は,金銭の対価がなく,騙したりしなくても,真摯な交際,真剣交際以外での性行為やわいせつ行為を広く罰則の対象とするように改正するようだ。

 

真剣交際(真摯な交際)とは?

真剣交際(真摯な交際)とは,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象とするものではない,真摯な交際をいい,真摯な交際といえるかどうかは当人らの主観のみならず,客観的状況から総合的に判断する

 

真剣交際(真摯な交際)かどうかの判断基準は以下の要素の総合判断だ。

 

年齢差(18歳と17歳の交際と,40歳と13歳の交際では,社会一般的には前者の方が真剣だと思うよね)

出会い方(学校の部活でと出会い系サイトでは違う)

交際期間(出会ったその日に性行為と1年間の交際を経ての性行為では違う)

両親の同意(青少年の両親公認かどうか)

友人等への紹介の有無

 

《追記》奥村徹(大阪弁護士会)先生のブログ等を参考に以下追記

裁判所が真剣交際を認めて無罪とした裁判例は2件だけ

名古屋簡裁平成19年5月23日

神戸地裁尼崎支部平成29年8月23日

・年齢差
→38歳男性と17歳10ヶ月の女性

・出会い
→職場,女性が手紙(「大好きです」)を渡す

・交際期間
→出会ってから1年後に交際開始,その2ヶ月後に性行為(出会ってから1年2ヶ月)

・両親の同意
→無し(母とは会ったが挨拶してない)

・友人等への紹介
→姉,友人に彼氏として紹介

他の有罪事例等を見てみると,成人男性が他の人と交際している(他の青少年と関係を持っている)ケースではケンケン交際が否定されがち。

詳細は,以下の奥村先生のブログをご参照ください。

児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

 

 

なお,東京都の迷惑防止条例では,以下のように定めている。

「みだらな性交又は性交類似行為」とは、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいいます。

参照:「弁護プラン: 援助交際、出会い系サイト」について

 

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